スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

木村大作/金澤誠□誰かが行かねば、道はできない――木村大作と映画の映像

20130129

20130129誰かが行かねば道はできない

最初に出演依頼をしたとき、「この映画は相当きついから、途中でリタイアすることがあるかもしれない。〔…〕そのときには精神的、肉体的におかしいと思った人のアップは撮る。

それは、『がんばってください』と他の連中を見送る顔だ。そこで出演場面は終わりだよ
と俳優みんなに言ってあった。

つまり何かあった人間は、映画から消えていくということだよ。それを了解して出てもらったんだ。


橋本[一郎]さんは完全に膝を痛めてしまったんだ。俺が膝を見たときには、2倍ぐらいに膨れ上がっていたよ。〔…〕

だから橋本さんがテントの中で痛めた膝を抱えて「畜生!」と言っているカットを撮って、終わりにしたんだ。このカットはテントの中だから、東京の撮影所でも撮れる。でももう一度富山まで呼んで、彼の単独カットを撮った。


□誰かが行かねば、道はできない――木村大作と映画の映像│木村大作/金澤誠│キネマ旬報社│ISBN:9784873763132│2009年06月│評価=○

〈キャッチコピー〉
映画を作るとは、こういうことだ!これは、「八甲田山」「復活の日」「鉄道員」のキャメラマン、そして、「劔岳 点の記」の監督、木村大作が“ただ映画を作るためだけに”誰も歩まない道を切り拓き、駆け抜けて来た映画人生51年間の記録である。

〈ノート〉
木村大作といえば、数々の名シーンを残した映画カメラマンである。「八甲田山」(森谷司郎・1977)、「駅 station」(降旗康男・1981)、「火宅の人」(深作欣二・1986)など、胸を突き刺すような場面が目に残る。

本書は、映画ライターの金澤誠によるインタビューによって、木村大作の映画人生を振り返ったもの。名作が生まれるまでの舞台裏を惜しみなく語る。

――よく彼は「一番大事なのはセッティングなんだ」と言う。〔…〕ロケ地の選定、キャメラアングルと撮影の狙いに即した美術セットの建て込み、俳優が画的に映える衣裳の見立て。さらには最も効率的な予算の使い方に至るまで、映画作りのすべてに自分のエネルギーを投入する。そういう事前の準備をすることで、撮影現場には最高のセッティングが用意されることになる。(本書)

そしてついに自ら監督として「劒岳 点の記」(2009)に挑む。地図をつくるために、前人未踏の北アルプス劔岳の山頂に三角点を打つ測量官柴崎芳太郎の物語。1977年の新田次郎「劒岳 点の記」の映画化である。

――今は撮影するときだけその場所に何かの交通手段で来て、終わるとさっさと帰るのがほとんどだろう。この映画はそうじゃない。ここでは俳優さんたちも実際に自分が9時間山を歩かないと、撮影現場へは着かない。それは柴崎芳太郎と同じ経験なんだよ。そうやって現地へ着いたら、こっちが余計なことを言わないほうがいいと思ったんだ。自ずと俳優さんたちは自分の置かれている状況を感じるよ。(本書)

200日以上に及ぶ撮影の途中で、録音技師・斉藤禎一が落石事故で重傷を負うというアクシデントがあり、一時は映画を放り投げる決断をする。その葛藤も赤裸々に語る。

この映画の見事さは、空撮やCG処理が一切ないということである。そんな山岳映画はないのではないか。木村大作はCGが映画をダメにしたことを知悉している。

〈読後の一言〉
「八甲田山」、「駅 station」、「火宅の人」、「劒岳 点の記」……、名作にはかならず雪のシーンがある。


〈キーワード〉
「劔岳 点の記」 映画撮影 リタイア



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント
プロフィール

koberandom

Author:koberandom
平成引用句辞典FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
平成引用句辞典2011.10.19~
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。